ヒラマサキャスティング解説|全国の釣り場情報を地図と釣れる魚から調べることができるサイト-全国釣場.com-

ヒラマサキャスティング解説|全国の釣り場情報を地図と釣れる魚から調べることができるサイト-全国釣場.com-

ヒラマサキャスティング解説

ヒラマサキャスティング完全攻略ガイド

ヒラマサのキャスティングゲームについて、初心者から上級者まで分かりやすく詳細を解説します。必要なタックルからキャストの注意点、結束方法、遊漁船のルール、便利グッズまで網羅しますので、ぜひ参考にしてください。

🌊ヒラマサキャスティングの魅力と概要

ヒラマサは、アジ科ブリ族に属する「青物」の一種で、その力強い引きと、水面を激しく襲うバイトシーンが多くの釣り人を魅了する人気のターゲットです。全長1mほどに成長し、中には2mに達する巨大魚も発見されています。ルアーフィッシングの中でも特にキャスティングゲームが盛んで、GTやマグロと並び人気のオフショアゲームとされています。

主な生息域は亜熱帯から温帯の海域で、18〜24℃の水温を好みます。日本では本州周辺から四国、九州まで幅広い海域で確認され、特に玄界灘や外房沖は代表的なフィールドとして知られています。

⚙️必要なタックル(装備)

1. ロッド

  • 長さ: 遠投性能と船上での取り回しのバランスを考慮し、7フィート後半から8フィート半ばの長さが最適とされます。船の先端で投げる場合は長めの竿が有利ですが、一段下がった場所からでは短い竿の方が扱いやすく体力消耗も少ないです。
  • 硬さ(パワー): ML(ミディアムライト)クラスからH(ヘビー)クラスまであり、釣れるヒラマサのサイズや使用するルアーの重量に合わせて選びます。まず一本選ぶなら、60~100グラムのルアーをキャストできるミディアムクラス(MHクラス)が汎用性が高くおすすめです。大型を狙う場合や100gを超えるルアーを使う場合は、より強いHパワークラスのロッドが適しています。ロッドはルアーの操作性に長けた柔軟なティップと、ヒラマサのパワーを受け止める強靭なバットを備えていることが重要です。初心者は全体で曲がるタイプを選ぶのがおすすめです。
  • キャストタイプ: 遊漁船のレギュレーションによってはオーバーヘッドキャストが制限される場合もあるため、アンダーハンドキャストに対応しやすい8フィートより短めのロッドを選ぶ必要もあります。

2. リール

  • サイズ(番手): 一般的に8000番から14000番の大型スピニングリールが使用されます。特に14000番はPE6号が300m、PE8号が200m巻けるため、最もよく使われるサイズとされています。大型ヒラマサやキハダ、GTなどもターゲットにする場合は18000番も選択肢に入ります。
  • ギア比: XG(エクストラハイギア)またはHG(ハイギア)が推奨されます。これは、ルアーの操作性や回収のしやすさ、ヒット後のファイトで素早くラインを巻き取る能力が有利となるためです。
  • 品質: 予算の許す範囲で、巻き上げの軽さ、滑らかな巻き心地、ドラグ性能、剛性、耐久性、防水性能に優れた高品質なものを選ぶと、快適に長期間使用できます。

3. ライン(PEライン)

  • 素材: ヒラマサキャスティングではPEラインがメインラインとして使用されます。摩擦抵抗を減らし、ロングキャストしやすい加工がされたキャスティング専用のPEラインがおすすめです。
  • 太さ(号数): 標準的な太さはPE4号~6号ですが、水深が浅い場所で大型が釣れるポイントでは8号以上、時には10号まで使用することもあります。撚り本数は直線強力確保のため8本撚りや12本撚りが最適とされます。
  • 長さ: 最低200m、不意のライントラブルに備えて300m巻いておくと安心です。
  • コンディション: ラインの劣化は釣果に影響するため、常にコンディションに気を配ることが重要です。

4. リーダー

  • 素材: 基本的にはナイロンリーダーが使われます。ナイロン特有のしなやかさと比重がルアーの動きを妨げず、ヒラマサを誘い出しやすいためです。
  • 太さ(ポンド): PEラインの号数に合わせて選択し、80ポンドから170ポンドが基準です。PEラインの号数に20を掛けたポンド数が一つの目安とされます(例:PE5号には100ポンド)。
  • 長さ: キャスティング時にリールに巻き込まない程度の長さが推奨されます。スプールに1回転巻き込む程度がベストとされています。リーダーを指に掛けてキャストすることで、メインラインの摩擦熱による劣化を防ぐことができます。

5. ルアー

  • 主なタイプ: メインはフローティングタイプのダイビングペンシルで、ポッパーやシンキングペンシルも状況に応じて使用されます。
    • ダイビングペンシル: 水面直下を泳ぐベイトフィッシュを演出します。激しく動くタイプと、滑らかな動きで誘うタイプがあります。
    • ポッパー: 飛沫、音、泡でアピールし、活性が低い時やラフコンディションで威力を発揮します。
    • シンキングペンシル: ナブラ撃ちやベイトが小さい時に使われ、ただ巻きや軽いトゥイッチが基本です。
  • サイズと重さ: 13~24cm程度、重さ50~130グラムが目安とされ、16~20cmが多用されます。ベイトのサイズに合わせて使い分けることが重要です。特に春は140mm程度の小型ルアーが有効な場合があります。
  • カラー: イワシやトビウオを模したナチュラル系が基本ですが、オレンジやピンクなど視認性の高いカラーも有効です。近年はクリア系が釣れることが多いという意見もあります。朝夕のマヅメ時は目立ちやすいホワイトやチャート、日中は光を反射するホログラムやメッキ系のカラーが効果的です。
  • 素材: 樹脂製とウッド製があります。樹脂製は入手しやすく安価で丈夫なので、最初は樹脂製がおすすめです。

6. フック

  • タイプ: 大型トリプルフックが一般的ですが、近年はシングルフックも多く使われます。シングルフックはフッキング後のバラしにくさや、フックを伸ばされにくいメリットがあります。
  • バーブレスフック: 自分や他の乗船者へのフック刺さりの被害を最小限に抑え、魚体へのダメージも少ないため、バーブレスフックの使用が推奨されます。
  • サイズ: ルアーサイズに合ったフックを選ぶことが大切です。フックの重さや大小を変えることでルアーアクションを調整する小技も可能です。フロントフックがルアーボディに隠れないようにすることも重要とされています。
  • 強度: ドラグテンションを強くかけるため、それに見合った強度のフックが必要です。

7. 接続金具

  • 推奨: ラインとルアーの接続には、溶接リングやスプリットリングを組み合わせたコンビリングの使用がおすすめです。
  • 注意: 強度が足りなかったり、予期せぬ状況で外れる可能性があるため、交換が容易なスナップの使用は避けるのが賢明です。
  • 強度とサイズ: 100〜200lbほどの強度があるものを選び、ルアーサイズに合ったものを使用し、ルアーのバランスを崩さないように注意します。楕円形のスプリットリングは、フックとルアーの距離が離れやすく、力が二重部分にかかるため強度が高いと評価されています。

🎣キャストする際の注意点とテクニック

1. 安全確認

大型プラグを使用するため、人に当たると大変危険です。キャスト前は必ず周囲に人がいないことを確認してから行いましょう。

2. キャスト方法

  • オーバーハンドキャスト: ショア(陸っぱり)では主にオーバーハンドキャストを使用します。船釣りでも、チャーター船などで許可があれば遠投のために使用できます。ルアーを1ヒロ程度(約1.5m)垂らし、大きく振りかぶってルアーの重みを最大限に感じたところで前へキャストします。
  • アンダーハンドキャスト: 船釣りでは、基本的にアンダーハンドキャストが使われます。利き手と反対側の手を上にあげ、下から上にロッドを振り上げるようにキャストします。ルアーを水面に浮かべて投げると、ロッドの反発力をよりキャストに乗せられます。乗り合い船やジギングと兼用の船では、他のアングラーへの配慮からアンダーハンドキャストが基本となることがあります。
  • 飛距離と精度: キャストは飛距離も重要ですが、精度も大切です。船長から「2時の方向、60メートルくらいにキャストしてください」といった指示が出ることもあり、指示通りにキャストできる技術が釣果に差を生みます。不安な場合は、港や砂浜などで練習しておくことが推奨されます。

3. 着水後の注意

  • 糸フケの調整: ルアーが着水するまでの間にフェザーリング(サミング)を行い、余分な糸フケを可能な限り取り除いておくことが大切です。ヒラマサは着水直後からルアーを注視していることがあり、糸フケがあるとルアーが動き出すまでに時間がかかり、見切られてしまうリスクが高まります。
  • 速やかなアクション: 着水後も気を抜かず、速やかにルアーをアクションさせることが重要です。

4. ルアーアクション「誘い出し」

  • 基本アクション: ヒラマサキャスティングの基本は「誘い出し」と呼ばれます。ダイビングペンシルは引くと潜り、止めると浮き上がる特性を利用し、ロッドを水平に持ち上げて下におろす動きを繰り返して一定のリズムを刻み、ヒラマサを誘います。
  • アクションの変化: ラインのテンションによってルアーが潜る長さが変わる特性を利用し、糸フケの量やロッドを下げる幅に変化を持たせることで、ヒラマサへのアピールに幅を持たせると効果的です。
  • スピード: ヒラマサはルアーを見切るのが早いため、マグロ釣りのようなスローな引き方ではなく、断続的にルアーを動かすことが基本です。ヒラマサがルアーを追ってきた際は、少し速くアクションさせるとバイトすることが多いため、スピードの変化を意識して操作することが推奨されます。特に潮の流れが速いポイントやナブラが出ている状況では、速めのアクションが有効です。ノンストップジャークも有効なアクションパターンとされています。
  • 丁寧な操作: ルアーが水面から飛び出したり、滑りすぎたりしないよう、ロッドを丁寧に動かし、ダイビングペンシルがしっかりと水中に潜るように心がけましょう。

📜遊漁船のルールとライン結束

遊漁船ごとのルール

遊漁船での釣りは、船ごとに独自のルール(レギュレーション)が設けられていることが多く、釣行前に必ず船長に確認し、それに従うことが非常に重要です。

  • キャスト方法の制限: 例として、外房沖では安全上の理由からオーバーヘッドキャストが禁止されており、アンダーハンドキャストがレギュレーションとなっている船が多いです。
  • キープ数・リリース規定: ヒラマサのキープ数制限や、特定のサイズ以上の魚はリリースするといったルールがある場合があります。例えば、ヒラマサは1人1日2匹までキープ可能(生け簀での入れ替えも可)、16kg以上のヒラマサはリリース(致命傷がある場合は除く)など。
  • フックの規定: トリプルフックを使用する場合、バーブレスフックの使用を推奨している船もあります。
  • その他: 船上での移動や、他のアングラーとの間隔、ライフジャケット着用義務など、安全確保のための様々な指示が出されます。疑問があれば、積極的に船長に質問し、安全に釣りを楽しむことを優先しましょう。

PEとリーダーの結束方法

  • 推奨ノット: PEラインとリーダーの結束には、FGノットやPRノットといった強度が高く、結び目とガイドの干渉が少ない摩擦系ノットの使用が推奨されます。これらのノットは、高い結束強度を保ちつつ、スムーズなキャストとリトリーブを可能にします。
  • リーダーの長さ: キャスティング時のライントラブルを避けるため、リーダーはリールのスプールに1回転巻き込む程度の長さがベストとされています。長すぎるとキャストトラブルの原因になります。
  • スペーサーシステム(スクラム): 近年流行しているラインシステムの一つに「スペーサーシステム」があります。これは、メインPEラインの先に16本撚りの中空アシストライン(スクラム16など)を60~70cmほど被せて使う方法です。スペーサーを使用することで、ショックリーダーとPE本線の先端のガイド擦れによる劣化を防ぎ、キャスト時のエアノット防止にも効果があるため、太糸を使うヒラマサキャスティングでは非常に有効とされています。PE6号~8号の場合、スクラム16の5号か6号が適正です。

💡釣果アップの方法

ヒラマサのキャスティングゲームにおいて、釣果をアップさせるためのポイントは多岐にわたります。適切な時期や時間帯の選定、ポイントの見極め、ルアーの的確な選択と操作、そしてヒット後の確実なファイトが重要となります。

1. 時期と時間帯を狙う

  • ハイシーズンを狙う:ヒラマサは周年狙えますが、特に春(4月~5月)と秋(9月~11月)がハイシーズンとなるフィールドが多いです。
  • マヅメ時を重視する:ヒラマサは主に朝と夕方のマヅメ時に捕食活動を行います。特に日の出の前後1時間が最も食い気を見せるとされているため、この時間帯を狙うことで釣果を伸ばせるでしょう。

2. ポイントを正確に攻める

  • ベイトの反応を追う:ヒラマサキャスティングの基本は、ベイトの反応が多い根回りやナブラ、鳥山を狙うことです。
  • 船長の指示に従う:船長から「2時の方向、60メートルくらいにキャストしてください」といった具体的な指示が出ることもあるため、指示通りの場所にキャストできる技術が釣果に大きな差を生みます。

3. ルアーの選択と使い分け

  • マッチザベイトを意識する:ヒラマサがその日捕食しているベイトの種類やサイズを船長に確認し、それに合わせたルアーを選ぶことが重要です。
  • ルアータイプを使い分ける:ダイビングペンシル、ポッパー、シンキングペンシルを状況によって使い分けます。

4. 効果的なルアーアクション

  • 「誘い出し」の基本と応用:ダイビングペンシルは引くと潜り、止めると浮き上がる特性を利用し、一定のリズムでヒラマサを誘います。
  • スピードの変化:ヒラマサはルアーを見切るのが早いため、断続的にルアーを動かすのが基本です。追ってきたら少し速くアクションさせるなど、スピードの変化を意識しましょう。

5. キャストの精度と距離

  • 飛距離と精度:遠投も重要ですが、船長から指示されるポイントに正確にキャストできる精度も大切です。
  • 短いキャストの活用:潮の流れが速いポイントでは、短いキャストで攻める「点の釣り」を増やすことで根ズレのリスクを減らすことも有効です。

6. ヒット後の確実なファイト

  • 根に潜られないようにする:ヒラマサはフッキング後、一気に根に向かって潜る習性があるため、強引なやり取りも必要です。
  • ヒット直後のゴリ巻き:特に大型の場合、ヒット直後にリールをゴリ巻きして、魚を根から引き離すことが成功率を高める秘訣です。

🎒必要なものと便利グッズ

必要なもの(必須装備)

  • ロッド、リール、ライン、リーダー、ルアー、フック、接続金具
  • ライフジャケット
  • 偏光サングラス
  • ラインカッター、プライヤー、ナイフ
  • ルアーケース・ワレット
  • 予備タックル

便利グッズ

  • ラインケア用品 (PEにシュッ!など)
  • タックルボックス (ドカットなど)
  • 熱中症対策グッズ
  • タオル、バンダナ
  • 別のターゲット用タックル

ヒラマサキャスティングは、その激しいファイトと釣り上げた時の達成感が格別な釣りです。これらの情報を参考に、安全に配慮しながらヒラマサとの駆け引きを存分に楽しんでください。

全国の釣り場情報を地図と釣れる魚から調べることができるサイト「全国釣り場.com」ページトップへ戻る